2014年01月20日

特別区歳出のうち、コスト試算から除外された1兆2千億円部分の特別区分割によるコスト増減は、都構想最大のリスク要因

パッケージ案の大きな問題として、コスト増試算は民間ビル賃料、議員報酬等、システム運用経費の3項目しか行っていません。
パッケージ案の資料によると、この3項目の現在の歳出額は民間ビル賃料20億円(保有庁舎を除く)、議員報酬17億8900万円、システム運用経費76億9000万円で、合計約115億円です。

パッケージ案は、この115億円が、5区案では60億円増の175億円に、7区案では、100億円増の215億円になるとして、特別区設置による経年のコスト増試算をしています。

人件費の試算が適切とは思っていませんが、一応試算しているとして、1万人分で約800億円の歳出相当部分。

特別区の歳出額は1兆3千億円ですから、コスト試算をした3項目115億円と人件費800億円を除いても、約1兆2千億円部分は、特別区への分割に伴うコスト増の試算を行うことなく、「変わらない」という前提で試算が行われています。
けれども、パッケージ案追加資料の一時保護所分割の算出資料を見ても分かる通り、特別区への分割は、大きなコスト増を引き起こします。「変わらない」という前提の試算は、非現実的で、この部分の現実との乖離が、大阪市民にとって最大のリスク部分と考えます。

この点について、「大阪市の行方B〜1区案に見る大阪市の財政〜」では、「本当は、事務の具体手法やシステムなどについても分割数において、もっとコスト増となるはずなのだが、この辺りは一部事務組合という手法を多用することで回避するトリックとなっている。」と記述されています。
この記述を、特別区分割で「もっとコスト増になる部分」を、広範な事務を担当する一部事務組合が担当することで、コスト増を回避していると理解されていると受け取りました。

パッケージ案で、広域移管を除く市長部局の職員数は11850人。このうち区役所職員数は4912人。差引すると本庁職員は6938人(一部、出先機関の職員もあると思いますが、簡略化のため無視します。)。大阪市の特別区への分割は、この約7000人の業務を5〜7つの特別区に分割することです。1兆2千億円部分のコスト試算も、この7000人の業務の5〜7つの特別区へ移管するものとして試算することが必要です。

パッケージ案が提示する一部事務組合は、確かに一部事務組合としては巨大過ぎるものですが、全体で651人規模、施設管理部門を除くと250人規模に過ぎず、250人から国民健康保険担当を除くと、総務の一部業務を担うに過ぎません。

一部事務組合としては巨大過ぎても、本庁職員7000人の業務を5〜7つの特別区へ移管することと比較すると、ほんの一部を担うに過ぎません。


施設管理と国民健康保険と総務の一部を担うに過ぎない一部事務組合設置をあまり過大評価しないことを望みます。
そして、本庁職員7000人の業務を5〜7つの特別区へ移管することで、コスト試算を行っていない特別区の歳出約1兆2千億円部分が、特別区に分割されることによってどのようにコスト増減するか、きちんと精査されることを望みます。
何しろ、組織を5分割もするのに、1%コスト変化だけで120億円というのは、リスクとして巨大過ぎます。
posted by 結 at 01:12| 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする