2014年07月03日

法定協議会、公明府議2人の委員罷免があらわにしてしまうもの

 毎日新聞によると、2014年7月3日の大阪都構想について協議する法定協議会は「法定協再開に先立って開かれた大阪府議会の議会運営委員会(議運)で、法定協を欠席方針だった公明府議2人を維新府議2人に差し替え」(元記事)て、開催したとか。

 府議会の議運で、この「公明府議2人を維新府議2人に差し替え」、つまり公明府議2人を「罷免」し、維新府議2人を新たに選任したという点が、記事では流されていますが、とても引っかかるのです。
 6月27日に同じく府議会の議運で「自民府議、民主府議2人を維新府議に差し替え」した時と、何か違い過ぎてはいませんか?


 まず、6月27日府議会の議運での「自民府議、民主府議2人を維新府議に差し替え」までの流れを整理してみます。

6月9日、法定協議会の浅田均会長(大阪維新の会政調会長)は、自民、民主、共産の各会派の委員の入れ替えを通知。理由は「今年1月までの計13回の協議会で、3会派の委員がのべ計19回、『都構想の議論は不要』など規約に反する発言をした」というもの。
浅田会長は19日までに発言について弁明するよう各会派に求めた。
元記事

6月11日、自民、民主系会派は11日、この文書に対応しないことを決めた。共産党も同様の方針。(元記事

6月19日、浅田均会長(大阪維新の会政調会長)に対し、公明、自民、民主系、共産の4会派は、代表者会議で差し替えが妥当かを議論するよう申し入れ。(元記事

6月24日、法定協会長の浅田均府議(大阪維新の会)は、自民などの野党委員が都構想を否定する規約違反の発言を繰り返したとして、岡沢健二・府議会議長(大阪維新の会)に委員を入れ替えるよう申し入れ。(元記事

6月27日、大阪府議会の議会運営委員会、都構想に反対する自民党と民主党系の委員を大阪維新の会と差し替える提案を、委員長を除く16人で採決し、維新9人の賛成多数で可決。(元記事

・・・というものです。
 「手続きが妥当かどうか」(勿論、一番大事な点)を別にすれば、3週間近くかけて、仰々しくやってきたのです。

それが、7月2日、「法定協再開に先立って開かれた大阪府議会の議会運営委員会(議運)で、法定協を欠席方針だった公明府議2人を維新府議2人に差し替え」と、いきなり、ばっさり公明府議2人を罷免してしまいました。
「府議会議運で排除された公明府議は『1回法定協を休むという理由で首を切られるなんて。維新はブレーキの利かない暴走列車だ』と批判した」そうですが、当然出てくる批判でしょう。
元記事

 さて、自民府議、民主府議2人の委員罷免のような、手続きを取らなかった公明府議2人の委員罷免は、手続きに不備のある罷免なのでしょうか?

 実は、そもそも、法定協議会の規約に委員罷免の規定はありません。当然、法定協議会会長に委員罷免の権限もありません。
 法定協議会の運営に関することは、会長を含む代表者会議で決められます。浅田均会長の委員入れ替え通知という乱暴な行為に、公明、自民、民主系、共産の4会派は法定協議会の代表者会議を求めますが、それさえも無視。
 手続き的には、自民府議、民主府議2人の委員罷免のような手続きの流れの方が、協議会の規約やこれまでの運営を無視してものです。

 結局、維新が唯一多数を占める、府議会の議会運営委員会で、多数決で反対派を排除し、維新の委員に入れ替えるというのが、手続きのすべてです。
 「浅田均会長の委員入れ替え通知」とか「弁明の要求」とかは、ただただ、府議会の議会運営委員会での反対派排除を、それらしく見せる三文芝居に過ぎません。

 市議会での委員推薦拒否を受けて、翌日早朝の府議会の議会運営委員会での公明府議2人の委員罷免は、そのことをあらわにしてしまいました。


 当然のことですが、多数決で反対派を排除して、委員を独占するというのは、「多数の横暴」の典型的な振る舞いです。

 しかも、府議会での議会運営委員会での維新の多数が、府議会での多数に裏付けされたものでなく、議会運営委員会での法定協議会委員の勝手な差し替えを止めるために、府議の過半数が請求する臨時府議会の請求を、「法定協つぶしだ」と松井知事(維新の会)が拒否している(元記事)のですから、その暴走は、明白で確信的です。

(注1)地方自治法で、4分の1以上の議員の求めがあれば首長は臨時会を招集しなければならないと定められていますから、臨時府議会の請求を松井知事拒否しているのは、違法です。
(注2)府議会の議会運営委員会の「他会派の法定協議会委員を罷免、維新委員に差し替え」に反発し臨時府議会の開催を求めている「法定協議会委員」とは、法定協議会規約で「大阪府の議会の議長及び大阪府の議会が推薦した大阪府の議会の議員」と定められている委員枠です。

 その府議会の議会運営委員会での維新の多数さえ、正当性が危ういと思わせる報道がありました。
 維新の3府議が、法定協議会の委員入れ替えの手続きに維新が着手したことを挙げ、「都構想そのものには賛同するが、メンバーを入れ替える手法は強引だ」として、離党届を提出しました。(元記事
 ただ、3府議が離党すると、維新が府議会運営委員会(議運)で過半数を割る可能性があるため、協定書作りを行う今月いっぱい離脱を認めず、「頭数」を維持するそうです。
 3府議は、この維新の対応に「ご都合主義のダブルスタンダードだ。離党ドミノを警戒し、我々を見せしめとして利用している」と批判してます。
元記事
posted by 結 at 19:20| 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

「対案を示せ」を前向きな議論にする方法

 議論を行う時、提案に対する反対論に「対案を示せ」と求めて、反対を封じる論法があります。
 この論法は、何かヘンだなぁと思うのです。
 本来、「対案を示せ」は議論を前向きに進める考え方だったはずなのですが、本当に前向きな議論になるのでしょうか?
 「対案を示せ」を、前向きな議論にしていくためには、どうすればいいでしょうか?
 そういうことを考えてみました。


〇「対案を示せ」が前向きな議論に繋がる仕組み

 「対案を示せ」は、次のような場合、議論を前向きに進ませる効果があります。

「この課題について、本来100の効果を上げるべきなのに、この提案Aでは、aの問題やbの問題があって80の効果しか上がらない。この案では駄目だ」というような「提案Aへの反対」があった場合です。

 (反対者の評価でも)提案Aを実施すれば80の効果が上がるのに、「この案では駄目だ」という意見を採って、提案Aを没にすると0の効果になってしまうのです。
 つまり(反対者の評価でも)「提案Aを採って80の効果を上げる」か、「提案Aを没にして効果0」かの比較になるなら、「提案Aを採って80の効果を上げる」を採った方がいいことになります。

 もし、「提案Aでは80の効果しかないから駄目」という反対の場合、提案Aを没にするだけでは、提案者にも反対者にも望ましくない結果となります。
 ですからこの場合、「『提案Aでは80の効果しかないから駄目』とするならば、80以上の効果を上げる別の提案を提示するか、提案Aの改善案を示すべきだ」(=「対案を示せ」)というのは、議論を前向きに進ませる一定の効果があります。
 (勿論、議論をしている両者の関係で、妥当な場合も、妥当でない場合もあるのは当然です。この理屈で、上司やクライアントに対案を求めたら、普通はどやされます。)


〇「対案を示せ」が前向きな議論に繋がらない仕組み(失敗の構造)

 「対案を示せ」が前向きな議論を促す場合があることを見てみましたが、次のような場合にはどうでしょう?
「この課題について、本来100の効果を上げるべきだが、この提案Bではマイナス50になる。この案では駄目だ」というような「提案Bへの反対」があった場合です。

 反対者の評価では、提案Bを実施すればマイナス50の効果に対して、「この案では駄目だ」という意見を採って、提案Bを没にすると0の効果です。
 つまり(反対者の評価では)「提案Bを採ってマイナス50の効果に陥る」か、「提案Bを没にして効果0」かの比較になるなら、「提案Bを没にして効果0」を採った方がいいことになります。

 もし、「提案Bを駄目というなら、対案を出せ」の論法をここに持ち込むと、「対案を示せ」論は「提案Bを没にして、何もしない」という選択肢を基本的に排除しますから、「提案Bを没にして効果0」の選択肢を排除すると、提案B実施でマイナス50の効果となり、より悪い選択を行うことになってしまいます。
 この場合「対案を示せ」は、議論を悪い選択に導くことになります。

 つまり、「やらない方がマシ」という主張に対して、「対案を示せ」と求めることは、「『止める』の選択肢を排除」「反対者の議論参加を排除」するもので、議論に対してはマイナスとなります。
 議論を進める意味では、実に後向きなのです。


〇「対案を示せ」を前向きな議論に繋がるフローチャート

 思いついたことを整理しただけなので、幅広い場面に一般論として通用するかは分かりませんが、ここまでの話をフローチャートにまとめてみました。

対案を示せフロー.jpg

 フローチャートを見ていただくと分かりますが、「対案を示せ」を前向きな議論に繋げようとすると、(言い方の問題はあるにしろ)、なぜか「対案を示せ」という言葉が出てこない結果となりました。
posted by 結 at 00:27| 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする