2014年10月09日

大阪都構想のひとつのこと 大阪市民は損をする

 大阪都構想について、気になってることを、細心の正確さよりも、雑駁に呟いてみます。

 法律では、府県がする仕事と市がする仕事って決めていて、市民は、府県がする仕事のために府県税を支払い、市がする仕事にために市税を支払います。

 大阪市は、大きな市だからと、府県の仕事の一部分は、大阪府がやるよりも、大阪市でどんな風にするか決めてやった方が、市民の満足になるから、大阪市に任せてと、言い出したのです。ずっとずっと以前のことだけど。

 大阪市は、府県の仕事の一部を任せてもらったけれど、「府県の仕事を、大阪市の単位で決めたいという希望のためだよね」と、大阪市民が大阪府に納める、府税の一部は貰えず、市税の一部を割いて行うことになりました。

 橋下氏が、大阪府知事になって、大阪府内の府県の仕事は「大阪府がまとめてやるべきだ」「府県の仕事を、大阪市の単位でやるべきじゃない」と言い出しました。

 そして、それを形にした大阪都構想は、「大阪市が行ってきた府県の仕事を大阪府が吸収して、大阪市が府県の仕事に使ってきた市税も、府県の仕事を大阪府がやることになったのだからと大阪府に吸収」「大阪市が行ってきた市の仕事は特別区に継がせて、市税の残りを与えてあげるよ」と。それで「何も損をしないだろう」ってね。

 「何も損をしていない」はずの大阪市民は、府県の仕事の一部を「大阪市民の単位で決める」ことにして、その後、大阪都構想で決めることをやめることにしたら、「市税の使いみちを、全部決められる市民」から、「市税の一部しか、使いみちを決められない市民」になってしまうようです。
(大阪都構想が実現しても、大阪府内の大阪市民以外は、みんな「市税の使いみちを、全部決められる市民」です。)

 「大阪市の単位で、府県の仕事の一部を決められうのがいいか」「府県の仕事は、大阪府がまとめてやるのがいいか」、これはどちらの考え方もあると思うのだけど、大阪都構想の結果、大阪市民の支払う市税の一部が、大阪市民だけが余分に支払う府税みたいなものになってしまって、大阪市民が「市税の一部だけしか、使いみちを決められない市民」になってしまうのは、大阪市民には損なことだと思うし、ちゃんとデメリットとして説明して欲しいなぁと思うのです。
posted by 結 at 01:35| 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2014年10月03日

地下鉄民営化効果額の整理

 「地下鉄民営化効果額を含む大阪都構想の年平均効果額が155億円なのに、地下鉄民営化効果額が165億円というのはどういうことだ」という声を見かけたので、整理しておきます。

まず、協定書と共に提示された長期財政推計の平成45年度(長期財政推計最終年度)の差引効果額と効果額内訳は、次の通りです。(元データ
長期財政推計算入額と効果額内訳2.jpg

 年平均効果額ではなく、平成45年度単年でとると、効果額273億円、再編コスト44億円、差引効果額229億円になります。

 このうち、地下鉄民営化効果額は大阪府19億円、特別区88億円の107億円です。では、165億円と107億円の差は、どうして出るのでしょうか?

 この説明は、長期財政推計の「AB項目の財政推計への算入効果額(項目別)」で説明されています。(元データ 元サイト
長期財政推計地下鉄効果額_算入額.jpg

 地下鉄民営化効果額は165億円ですが、平成25年度・平成26年度予算で既に59億円の効果を実現し、予算反映してしまっているので、今後発生する効果額は106億円(大阪府19億円、特別区87億円)だというのです。

 では、まだ民営化していないのに、実現された「民営化効果額59億円」とは何なのでしょう?

 地下鉄民営化効果の内訳は、パッケージ案の追加資料で効果額を275億円から165億円に下方修正する際に説明されています。(元データ 元サイト
地下鉄民営化効果12月修正分.jpg

 165億円のうち、まだ民営化(正しくは外郭団体化)もしていないのに、株式配当収入が発生することはありませんし、固定資産税等や法人事業税が発生したとは考えられません。考えられるのは、一般会計繰出金の削減を実施したということだけです。
 一般会計繰出金を民営化を待たずに平成26年度までに71億円から12億円へと、59億円の削減を行ったということなのでしょう。

 地下鉄民営化も(まして大阪都構想の実現も)無く、実施された59億円の市政改革効果額を、地下鉄の民営化効果(まして大阪都構想の効果額)に計上するのが妥当かは、かなり疑問の出るところとはなりますが。

 なお、今後発生する効果額106億円(大阪府19億円、特別区87億円)についても、実際的な効果額は、ここから更に市(府)税収入増に伴う地方交付税の減額分などを差し引く必要があります。(詳しくは、以下の「追記」を参照)

(追記)
 地下鉄民営化効果額の一番の問題は、地下鉄会計側での負担額と大阪市の一般会計側での収入額に大きな乖離があって見合わないという点です。

 いくつかの数字が発表されていないので、説明上、次の項目について仮の数字を置きます。
〇地下鉄会社での法人税(などの国税)の負担額を30億円とします。
〇大阪府の地方交付税の減額等10億円を、全額、地下鉄民営化の税収増に対応するものとします。
〇特別区の地方交付税の減額等63億円のうち、30億円が地下鉄民営化の税収増、10億円が地下鉄会計からの一般会計分担金とします。(63億円の大半は地下鉄民営化関係分と想定していますが、内訳説明が無いため、ここでは40億円のみとしておきます。)

 地下鉄民営化による今後発生効果額106億円の内訳は、次の通りと考えられます。
一般会計繰出金の削減 12億円
市税収入の増加 50億円
株式配当収入の増加 25億円
府税収入の増加 19億円

 これに対して、地下鉄側の負担増加額は次の通りで136億円となります。
一般会計繰出金の削減 12億円
市税負担の増加 50億円
株式配当の増加 25億円
府税負担の増加 19億円
国税負担の増加 30億円

 大阪市側の一般会計の増減額は次の通りで、47億円となります。
一般会計繰出金の削減 12億円
市税収入の増加 50億円
株式配当収入の増加 25億円
地方交付税の減額 ▲30億円
一般会計分担金の減収 ▲10億円

 大阪府側の一般会計の増減額は次の通りで、9億円となります。
府税収入の増加 19億円
地方交付税の減額 ▲10億円

 つまり、地下鉄側の負担額136億円に対して、大阪市一般会計の増収額は47億円に止まり、府市の増収額を合わせても56億円に止まります。地下鉄側の負担額の半分以下しか、実質使えない「民営化効果」は、かなり効率の悪い「地下鉄の黒字」の使い方と思われます。

 地下鉄民営化では、人件費削減による地下鉄側での効果額を想定していますが、(民営化なしでも実行できる人件費削減を含めても)負担増に届きません。(人件費削減額が、税負担などの負担増を上回るという試算については、法人税、法人事業税、法人市民税の法人利益課税の負担増や株式配当の資金流出が計上されているか、ご確認ください。)

 また、2013年度の地下鉄の黒字額は300億円に達し、この民営化効果の前提とする黒字額より、かなり大きくなっていると思われます。
 黒字額が増えると、国税の負担額も、府市の地方交付税の減額幅も増えるため、地下鉄側の負担額と、大阪市(及び大阪府)一般会計の増収額との乖離は更に大きくなります。

posted by 結 at 04:58| 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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