2014年01月22日

大阪都構想財政シミュレーションに思うこと(下書き)

 ブログ「橋下市長の大阪都構想を、きちんと考えてみる」に、大阪都構想パッケージ案財政シミュレーションの記事を書こうとして、下書きを書いてみたのですが、ひとによっては、この位に端的な方が読み易い方もいるかもしれないので、下書きをそのままアップしてみます。
 下書きなので、数字など少し変わるかもしれませんが、アウトラインは大丈夫と思います。

 ブログ「橋下市長の大阪都構想を、きちんと考えてみる」には、根拠資料、背景説明などを加えて、長い長い記事としてアップする予定ですが、まだ少し時間が掛かる予定です。

--------------------------- 以下、記事本文 ---------------------------
 大阪都構想パッケージ案財政シミュレーションは、1兆7千億円の歳出規模の大阪市を、大阪府に統合する一部と5つの特別区に再編する巨大な組織再編プランでありながら、7区案と5区案の年間175億円のコスト差を許容できない、極めて微妙な数字の精度を求めるものとなっている。(何しろ、1兆7千億円の歳出規模の組織が、6つに再編後、歳出規模で1%の誤差があると7区案と5区案の比較議論がひっくり返ってしまうのだ。)

 このように微妙な精度を求める根本的な理由は、組織再編の効果額が、無関係な効果を積上げてさえ、5区案でも362億円(平成45年度見込み。広域56億円、特別区306億円)でしかなく、その効果額に見合う範囲のコスト額しか許容できないため、100億円とか200億円といった微妙な幅でのシミュレーションとなる。

 この財政シミュレーションは、大きく3つの(少し無理のありそうな)前提の上に成り立っている。

前提1 府市統合及び特別区への組織再編と関係の無い改革効果額でも、大阪都構想の効果額として認めること。
・地下鉄民営化と一般ごみ処理の民営化の効果額を除外すると、前提2で議論する人件費削減額を除き、改革効果額は哀れに減少する。
・ただ、地下鉄民営化と一般ごみ処理の民営化といった金額の大きなものがコケなければ、統合効果でなかったとしても財源が生まれることは変わらないので、この前提を除外した時の影響は比較的平和だ。都構想無しでも生まれる効果額を、都構想の効果額に含めてしまって、判断を誤るだけのこと。

前提2 一体で運営される大阪市役所の基礎自治体部分(特別区移管部門)を5つの特別区に分割しても、所要人員が削減できること。
・組織を複数に分割すれば、普通、組織運営の所要人員は増加するはずだが、このパッケージ案では特殊な論法により、約15%減少すると見込まれている。
・この所要人員の削減で見込まれる効果額は91億円にもなり、逆に所要人員が増加すると100億円単位でのコスト増となる。所要人員減の見込みが所要人員増になると、100億円の効果額見込みが一転100億円単位のコスト増に変わる。現状のシミュレーションよりも200億円とか300億円といったコスト増になると、シミュレーションの黒字化は無理だろう。

前提3 特別区の歳出総額1兆3千億円のうち、コスト増の試算を行った歳出額は115億円。5区案では、この115億円部分が60億円のコスト増を発生させると試算してる。他に(前提2の話なので納得はしていないが)人件費は試算対象にしているとして、1万人分で約800億円。この二つを合わせても、特別区の歳出総額1兆3千億円のうち約1000億円部分を試算対象にしてるに過ぎない。その他の1兆2千億円は、コスト増の試算をしておらず、「変わらない」(=コスト増を発生しない)という前提で財政シミュレーションは行われている。
 しかし、1兆2千億円部分も特別区5区への組織5分割によって、歳出額の中には当然影響を受ける部分があるし、一般的に増加する。全体として1%の増加で120億円のコスト増だから、2〜3%もコスト増があれば、シミュレーションの黒字化などなくなる。

 そしてパッケージ案には、前提2にしても前提3にしても、特殊な前提を成立させるような、画期的な行政手法が何か示せている訳ではない。

 「10階建てのビルの屋上から飛び降りても、怪我一つすることはない」という前提を置くことはできるし、その前提の中ではビルから飛び降りても平気だ。きっと楽しいライトノベルが書けるだろう。
 でも、実際に10階建てビルの屋上から飛び降りれば、普通は死ぬか大怪我をする。
 この財政シミュレーションが置いている前提は、そういう種類の「前提」に思う。

posted by 結 at 17:52| 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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