2016年03月09日

橋下大阪市政で、市と民間の保育士給与が矛盾して見えることの整理

 橋下大阪市政で保育士給与を巡る施策について、次のようなツイートをしました。

保育士給与引下げのツイート.jpg
https://twitter.com/yuun08/status/706441074609250304

ツイートの趣旨としては、
(A)市の保育士と民間保育士の給与格差を是正する為の民間保育所に対する補助金を廃止した(2012年7月)
(B)市の保育士の給与が民間保育士より高いから、市の保育士の給与を引き下げるとした(2013年12月)(元記事
ということなのですが、2つの元の記事と資料をよく見ると、矛盾して見える事象があります。

(A)の元資料では、市の保育士と国基準の民間保育士給与の措置額の差が小さくなってきた為、交付件数が減少していて、2012年4月からの市の保育士の給与カット(7.8%)により、更に減少が見込まれるとしています。(ニュアンス的には、ほとんど無くなるだろうと。)

(B)の元記事では「市の保育士の給与水準は、民間水準を上回っている」と。こちらの記事(元記事)によると、「官民の20代の月収を比較すると保育士で約3万円、(中略)市職員の方が高かった」そうです。

 20代で約3万円の差なら、ざっくり1割程度の差があることになります。
 ところが(A)は、ほとんど差がないと言ってます。なんか、矛盾してるように見えます。
 でも、別に矛盾してることではないので、かなりモデル的にですが、整理してみます。

 市の保育士給与が100、民間保育士給与(国の措置額)が90だったとします。(国の措置額と給与額の差は無いとします)
 市の保育士と民間保育士給与(国の措置額)で10の差が出ているので、市が10を補助金支給します。結果、民間保育士給与も100になります。
 これが補助金廃止前の状態です。

 大阪市職員の給与カットの一部として、市の保育士給与についても約1割の給与カットを行います。給与カットというのは、正規の給与額は100のまま、期間限定で実際の支給額を90にするということです。

 市の保育士が一時的に支給額を90にするからといって、民間保育士給与も90でいい、補助金支給はいらないというのもヘンな話ですが、そういうコジツケで補助金を廃止してしまいました。
(補助金廃止は恒久的ですから、市の保育士の給与カットが終了しても、補助金は支給されないことになります)
 つまり(A)の結果、市の保育士は正規給与100、カット後の実支給額90、民間保育士は90となった訳です。

 ここで、(B)の市の保育士と民間保育士の給与比較を行います。
 人事委員会が行う給与の官民格差の比較は、市の正規給与と民間実態との比較です。
(人事委員会は元々、市の(正規)給与と民間の差が無いように勧告を行っているので、給与カット時にカット後給与と民間の差を無くすような勧告を行うと、給与カット分を(正規)給与を上げるように勧告という矛盾することになります)

 (B)の市の保育士と民間保育士の給与比較では、市の保育士の正規給与100、民間保育士90で、市の保育士は10高いという結果になります。これに基づいて市の保育士の正規給与を「是正」すると、市の保育士の正規給与は90となります。

 つまり(B)の結果、市の保育士は正規給与90(カット後の実支給額81)、民間保育士は90となった訳です。

 これはあくまでモデル的に説明をしただけなので、実態はもう少し複雑になると思います。
 ただ、(A)と(B)に特段の矛盾は無いこと。(A)と(B)の結果は、市の保育士も民間保育士も給与が下がるということ。この二つの整理はできたかなと思います。
posted by 結 at 04:25| 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする